ヒップスラストで下半身の出力を最大化!反張膝を整えてパフォーマンスを高めよう
- 和輝 内倉
- 6月18日
- 読了時間: 3分
「お尻」が変われば動きが変わる
― ヒップスラストで膝の反りを整え、地面反力を最大化 ―
■ はじめに:膝が反っていると、出力が逃げているかもしれない
スポーツの現場で「爆発的な加速ができない」「ジャンプが伸びない」と感じていませんか?
その原因は**膝の“反りすぎ(過伸展)”**かもしれません。
膝が本来の可動域を超えて後方に反ってしまうと、下肢全体での力の伝達効率が落ちるだけでなく、地面反力を十分に得られないという欠点があります。
つまり、ポテンシャルはあるのに、発揮できていない状態です。
■ なぜ膝が反ってしまうのか?原因は「お尻の不在」
膝の過伸展(反張膝)を呈する選手には以下の特徴が見られます。
ハムストリングス(もも裏)の使いすぎ
大臀筋(お尻)の出力不足
腓腹筋(ふくらはぎ)の短縮による足部不安定
このような筋活動の偏りにより、膝関節が最終域で制御できなくなり、地面からの力が逃げてしまうのです。
■ 解決策:大臀筋と大腿四頭筋の再教育で力の通り道をつくる
◎ 大臀筋(Gluteus Maximus)
大臀筋は股関節伸展において最も強力な筋肉であり、地面反力を前方推進力に変える「トランスミッター」です。
ここが弱ければ、ハムストリングスが代償的に働き、加速・方向転換・ジャンプにロスが生じます。
◎ 大腿四頭筋(Quadriceps Femoris)
大腿四頭筋は膝の伸展力を生み出す主動筋で、特に膝伸展終末域の制御に関わります。
これが安定することで、踏み込み動作や着地時の反発力が効率的に使えるようになります。
■ パフォーマンスアップの鍵:ヒップスラスト
✅ エクササイズ解説
ヒップスラストは、地面反力を効率よく活かす「後鎖(こうさ)チェーン」強化トレーニングです。
✅ やり方
ベンチに肩甲骨を乗せて座る
足は腰幅、膝90度でセット
ダンベルまたはバーベルを骨盤上に配置
股関節を軸にしてお尻を持ち上げ、体幹と大腿が一直線になるまで伸展
2秒キープ → ゆっくり戻す(10回×3セット)
✅ 指導上のポイント
お腹を軽く引き込み(ドローイン)、腰椎の反りを防ぐ
トップでお尻を締める意識を持ち、反張膝にならないよう注意
■ 信頼できるエビデンス
Krosshaug T et al. Mechanisms of ACL Injury in Basketball. Am J Sports Med. 2007[Evidence Level 1]
Contreras B et al. The hip thrust exercise: a gluteus maximus activation exercise. J Strength Cond Res. 2015[Evidence Level 2]
Sigward SM et al. Muscle recruitment and coordination in female athletes. Med Sci Sports Exerc. 2012[Evidence Level 2]
■ Call to Action(次の一歩)
パフォーマンスを上げたいすべてのアスリートへ。
今日から「ヒップスラスト」をウォームアップ後に3セット取り入れてみてください。
反張膝の修正は、あなたの爆発力を解き放ちます。
